車も顔面も大破! 失意のどん底でつかんだもの
それは突然の出来事から始まった。予備校に通う,普通の若者が、自動車免許を取った3日後、借りた車で正面衝突。車は大破し、自分も同乗していた友人も大怪我を負う。命が助かったのが不思議なくらいの大事故だった。「顔面 を100針以上縫う大怪我でしたね。それより車が大破したのや友人にも怪我をさせたのやらで、責任問題、補償問題で針のムシロです。親もかばいきれない状態になりましてね」命をとりとめた喜びもつかの間、18歳の少年にとっては途方に暮れるばかりの出来事だった。
命からがら、お先真っ暗状態の清水を、父親が一喝。「真冬の京都で頭を冷やしてこい!と言われましてね、ひとり京都に向かったんです。顔面 が傷跡だらけ、まるでブラックジャックのようですから、不審がられてなかなか旅館にも泊めてもらえない(笑)。実家に身元確認の電話を入れてもらってやっと泊まれたくらいなんですよ」化野の念仏寺や大原の三千院をひとり彷徨った清水が、はじめて人心地ついたのが、温かい湯豆腐を食べたときだった。「食べ物ひとつで、心細さや将来への不安も吹き飛んでこんなに心が温まるのかと感激したんです。そうだ、料理人になろう! 心が決まりました」
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